ワインに興味をお持ちの方には特に注目企画!
新たなカテゴリーとしてほぼ認知されたであろう「オレンジワイン」が世界的にも大流行となって間もないのですが、皆さんはご存じでしょうか?
ひと昔前に流行った「サングリア」のように、ワインにフルーツや甘味料などを加えて作るフレーバードワイン的なものを想像しがちですが、それとは違ってブドウのみを原料とする、れっきとしたワインの新たなタイプなのです。
オレンジワインとは?
その醸造方法
では、オレンジワインとは何?という質問に簡潔に答えるならば、
『白ワイン用のブドウを使って、赤ワインの醸造方法で造ったワイン』です。
白ワインの醸造方法は、白ブドウを原料として、ブドウの果皮や種子などを除いて発酵させる事で、透き通ったクリアな色合いになります。
一方赤ワインは、黒ブドウを原料として、果皮や種子などを果汁と一緒に発酵させて、醸しという漬け込み作業を挟む事で、ブドウが持つ色素やタンニンなどが溶け込み、色がしっかりと付いて、渋みのある味わいになります。
さて、ここでオレンジワインですが、上の赤ワインの説明文の内、『黒ブドウ ⇒ 白ブドウ』に変えたものが、醸造方法となります。
ただし、白ブドウは黒ブドウほどの色素成分は含まれておりませんので、それほど濃い色にはならず、美しいオレンジがかった色合いになります。

オレンジワインの歴史
近年一気に認知度が高まり、上記でも『新たなタイプ』と述べたものの、実は歴史は意外に古く、ワイン発祥の地といわれるジョージアではワイン造りを始めた当初から、土中に埋めた甕(クヴェヴリ)の中にブドウを房ごと入れて発酵させ、オレンジワインを醸造していたとされております。
しかしジョージアは旧ソ連の支配下にあり、なかなか国際市場に出回らないワインとなっておりましたが、1991年に国が独立を果たすとそこから少しずつ、世界に広まっていきました。
そして、こうしたワイン造りにインスピレーションを得た、イタリア北部の代表的な生産者たちがこぞって造り始め、世界中で高い評価を受けていった事で、この素晴らしいスタイルのワインが再興され、一大ブームとなったわけです。
これが先駆けで一般的となり、今では世界各国のワイン生産地で造られるようになりました。

これが日本を代表するオレンジワイン
「甲州F.O.S. / ココファーム」(山梨)
F.O.S.とは、Fermented on Skinsn の略で、果皮ごと発酵するという意味。
日本を代表する白ブドウ、甲州種の果皮・種子と一緒に発酵させ、複雑なアロマと繊細な味わいに仕上がったオレンジワインです。
こちらは2004年から造り始めたワインで、僕ももう10年以上のヴィンテージを味わっておりますが、毎年ハイクオリティに仕上げられた素晴らしいワインです!
世界的な大流行の理由
もちろん流行になるには、いくつかの要素が絡み合ってそうなるわけですが、もっとも大きいとされる要因は、ナチュラルワインのブームに乗っかれた事だと思います。
ナチュラルワインラバーの僕としては、このナチュラルワイン語り始めたらまた長くなってしまうので、それは別の機会でがっつりとテーマを設けるとして、今回は至極端的に述べると…。
ナチュラルワインには明確な定義はないものの、自然の力に委ねて「ブドウの栽培方法」や「ワインの醸造方法」において、なるべく人の手を加えない自然との共生という点が、もっともポイントとなる考え方となります。

ナチュラルワインについてはこれだけにしておいて…それとオレンジワインとを繋げるポイントはタンニン。果皮や種子に含まれる渋み成分です。
この成分には酸化を防止する作用があるため、亜硫酸(酸化防止剤・食品添加物)を極力控えた(または全く加えない)ワイン造りが可能となります。
これに着目したのが、元々ブームの中にいたナチュラルワインの生産者たちで、彼らが素晴らしいオレンジワインを造っていった事で、より世界的に認知されていったという経緯があります。
それと忘れてはいけないもう一つのポイント。
それは、様々な料理との相性の良さです!
白ワインと赤ワインの良いとこ取りとも言われるこのタイプは、白ワインでは物足りないし、赤ワインでは味わいが喧嘩してしまう、というような料理でも、中間系の味わいであるオレンジワインは、マッチする事もしばしばあるからです。

最後に注意点を1つだけ。
上記で述べてきた様々な要因から一大ブームとなり、多くのワイン生産者がオレンジワインを造っている時代になりました。
ナチュラルワインの生産者たちが火付け役になったのは間違いないのですが、今ではそうではない生産者でさえオレンジワインを醸造しています。
ですので、オレンジワインだからといって、全てナチュラルで自然とともに造られたワインというわけではないので、そこには注意が必要です。