さぁワインラバーであれば、誰しも興味があるであろう話題がきました!(笑)
今を時めく〝ナチュラルワイン〟の紹介ですので、大好きだという方もちょっと苦手という方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
簡潔にとはいえ、少し突っ込んだところにも触れますので、ちょっと長くなってしまいますが、今まで誤解されている事や、もともとご存知ない事もあるのでは、と思います…(^^♪
何せお客様にご案内するべき立場である、レストランのソムリエや店舗セールスマンの中にすら、勘違いしている人も居るぐらいですから…(苦笑)
ナチュラルワインとは
近年、ようやく品質面と流通面が安定してきたおかげで、一般の酒屋さんでも少しずつ見かけるようになったナチュラルワイン。
まずナチュラルワインとは英語表記で、フランス語ではヴァン・ナチュール(フレンチレストラン等でもそのように記載されているはず)、日本語では自然派ワインと言われています。
これらは単純に言語の違いだけで同じものを指しているのですが、中にはこのブームに乗っかかって、全く違うものなのに同じもののように扱われて売られているものもあります。
それは、ビオワインやオーガニックワイン、無添加ワインなど、比較的身近な所で聞く事のあるワインなのに、意外と知られてないのが現実です。
これについては次の項目で説明するとして、まずは本来の〝ナチュラルワイン〟とは?
端的に言うと、それ自体には明確な定義付けはありません。おいおい、そこまで話を振っておいて何やねん!って言わないでください(笑)
ただ法律で定められているわけではありませんが、一般的に生産者の中での暗黙の了解的な、共通認識されている事はあります。
それは、『いかに自然に対して敬意を払ってワイン造りをしているか』って事です。
具体的には、化学肥料や農薬などを使用せずにブドウを栽培し、そうして大切に育てたブドウを、なるべく人の手を加えずに発酵・醸造していくかがポイントとなります。
「ブドウ栽培」「ワイン醸造」というワイン造りの2大要素が、いずれも自然に由来しているわけですが、細かい部分ではやはり生産者がそれぞれの考えのもと、自由なやり方で造っているため、個性的なワインが多いのが特徴です。
味わいに大きく影響してくるところと言えば、やはり「野生酵母の使用」と「亜硫酸の不使用(最小限の使用)」という部分だと思います。
人工的な酵母を使用すると、タンニンを補って渋みを加えたり、アルコール度数を上げるため補糖したり、酸味を加えるため補酸したりと、味わいを人為的にコントロールする事が出来てしまいます。
また酸化を防止する化学物質「亜硫酸塩」を多く摂取してしまうと、頭痛を引き起こす原因になるとも言われていますし、そもそもそれ自体に身体が拒否反応を示す人もいるようです。
これらの添加物を使わず、酵母は醸造所や畑、ブドウ自体に付く天然酵母で発酵を行い、様々なリスクを伴う亜硫酸の使用にも、最大限の注意を払った醸造を行っているのです。
オーガニックワインとは
ここからは少しグレーな部分に触れるのですが(笑)、今ではオーガニックワインやビオワインといった類いも、同じような扱いでスーパーや酒屋などで販売されているところも多いので、分かりづらくなってしまうのも無理はないと思います。
これらはオーガニック(=ビオ)と言うだけあって、確かにブドウ栽培は自然に配慮しながら無農薬・減農薬で行っているものの、醸造に関しては添加物の使用によって、人為的にコントロールしたものがほとんどであると思います。
実際オーガニック認証に必要な亜硫酸塩の添加上限は、ナチュラルワインのそれと比べると、5倍の量が認められているし、上記で説明した味わいさえもコントロールできる培養酵母(人工的な酵母)の使用も認められているのです。
また、大手スーパー等で売られている無添加ワインと〝売り文句〟がついたワイン。
こちらは確かに、醸造において添加物は使用していないとはいっても、ブドウ栽培が自然農法かどうかは不透明です。ナチュラルワイン用のブドウは、人の目できっちりチェック・管理され、全て手摘みによる収穫を行っているのですが…。
このように人の目や手がかけられたブドウは大量生産することが難しく、なかなか大手さんで扱えるだけの収量は造れない気もします…もちろんこだわりのスーパーなどは別ですが(‘◇’)ゞ
それと、無添加ワインには最大の疑問が…。
それは添加物を加えてないわりには、ブドウそのものの風味・旨味に乏しい事。これは、添加物(酸化防止剤)を加えない代わりに、加熱殺菌をしてフィルターでろ過する事で、本来のブドウの旨味成分を除去してしまっていると考えられます。
まとめ
で、結局ナチュラルワインの魅力とは何か?と問われると「美味しい!」という事です(笑)
もちろんそれだけでは終わらせませんが(笑)、自然にこだわった造りに従事している分、本当に身体に染み渡る旨みと味わいで、スルスルと喉を通ってくるスムースさ。
また、それぞれがこだわり抜いて造られているため、味わい以外にもそのテロワール(風土)や生産者の個性や想い(造り方の違い)などが推し量る事の出来る楽しみもあります!
自然に委ねて造られているため、計算通りの味に仕上がるとは限らないという事も含めて、これほど〝自由〟で驚きを与えてくれる飲み物があるだろうか、とさえ思ってしまいます。
そうなんです!
何と言っても〝自由〟なワインなのです!
普段から飲み慣れている僕たちでも、管理状況や温度、抜栓からの時間経過による変化など、掴み切れないこともあるし、それによる感動も与えてくれるのがナチュラルワインの魅了である、と感じております。
もちろんクラシックなワインで落ち着いて楽しむのも好きですが、こういった掴み切れないものをワクワクしながら楽しむのも大好きです!(笑)
皆さんも、たまにはこういった事を感じながら、ナチュラルワインを気軽でカジュアルに、そして何より〝自由に〟楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。