子育て

教育費のファイナンス

前回の「子育て」ブログでは、育児をしていくうえで絶対的に必要となってくる費用「養育費」「教育費」に分けて見ていきました。

今回は、そのうち進学方法や進学先によって大きく違いが出る「教育費」のファイナンスをいくつかの種類に分けて、さらにそれらを分かりやすく分割して考えていきたいと思います。

子どもの教育費用

まずは前回の復習からしていきます。

子どもの教育費とは、学校の入学金や授業料・教科書代、学習塾などの習い事の費用などに使用する費用の事です。

これに関しては前回も触れたように、学校が私立か公立かによっても、どこまで進学するか(大学 or 専門学校 or 高校)によっても、大きく変わってくるという話をしましたね。

金額にして、約700~2000万円💰

金額の内訳に関しては、前回のブログで詳細まで解説しておりますのでご覧いただくとして、今回はファイナンスとして挙げられる下記の3つを順番に見ていきます。

  1.  自分たちで用意する
  2.  誰かからもらう
  3.  誰かから借りる

お金を自分たちで用意する

まずは基本である、自分たちで用意する方法から具体的に見ていきたいと思います。

・預貯金

当然一番最初に思い浮かべるのがこちらですね。

父親と母親の収入その他から、貯金で備えることによって、いざという時の出し入れがスムーズにできるし、安全性も最も高い方法ですね。

・学資保険

教育資金の準備としてすぐに考える保険ですが、僕は長男が生まれた時に様々な文献と情報から検討した結果、これは必要ないと判断しました。

それは、運用にしては利回りが低すぎるし、保障にしては生命保険と比較すると保障額が少なすぎるので、セットで組み込まれているものを細分化して考えて、それぞれについて手段を取っていく方が効率的だと思ったからです。

人によって考え方があるので一概には言えませんが、そんなにいい保険システムではないというのが最終的な見解です。

・積立投資

上で少し触れた運用するのであれば、この方法も検討の余地があると思いますし、利回りもそれなりに高い数値で運用しながら、積み立てていけば効率的に増やしていけると判断したため、僕はこの方法を使っております。

もちろん投資はある程度リスクを伴うファイナンスなので、全てをこれで賄うつもりもありませんし、許容範囲を十分検討しながらかけていくからこそ、意味のあるものだと考えています。

非課税で運用できるので節税となる「ジュニアNISA」は、来年2023年に廃止が決まった今だからこそ大変メリットのある積立投資方法なので、興味のある方は調べてみる価値はあると思います。

それなら今からでは期間がなさすぎてほとんど投資メリットがない、という方でしたら「つみたてNISA」を活用する事で、そこまで高いリスクをとらずに効率的に運用していく事も可能ですので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

例を挙げると、月々2万円をコツコツ15年間積み立てていき、年4%(低めに見積もって)で運用していった場合なら、360万円の投資額が490万円になりますし、さらにそのキャピタルゲインには税金がかからないので、そのまま130万円を活用する事が出来るわけです。

お金を誰かからもらう

自分たちだけで資金を確保するのに越したことはないのですが、それがなかなか叶わない場合も大いに考えられます。

・祖父母の援助

最初に頭に出てくるのが、何といってもおじいちゃん・おばあちゃんの財布に頼る事ですよね。(笑)

祖父母から30歳未満の孫等にお金をあげた場合、1500万円までは贈与税がかからないという制度もあります。

そこまで出せるのは、だいぶ余裕のあるおじいちゃん・おばあちゃんだと思いますが、それだけあると進路の選択の幅が一気に広がりますね。

ただもしそうなった場合には、おじいちゃん・おばあちゃんの意見もだいぶ取り入れざるを得なくなる場合もありますので、そういった覚悟は必要になるでしょう。(笑)

・児童手当

子どもが生まれてから中学校を卒業するまでに、国からもらえるお金です。住まいのある市区町村に申請する必要がありますので、しっかりと理解して行いましょう。

① 15,000円 (0~3歳未満)
② 10,000円 (3歳~小学校修了)
 ※第3子以降は 15,000円
③ 10,000円 (中学生)

総額約200万円もらえるので(第3子以降は+60万円)、これを養育費として充てずに教育費に回す事でだいぶ費用的に楽になると思います。

誰かから借りる

もちろん祖父母や知り合いなどから借りる、という選択肢もありますが、高額のうえ一時的なものでもないので、これはおススメできません。

僕自身、他人からお金は借りるな!と教わって育ってきたため、この選択肢は外して考えます。

・奨学金

これには2パターンあって、「返済の不要な給付型」と「返済が必要な貸与型」があります。

ただ給付型は特定の条件を満たす少数の人が対象になるため、殆どの場合は貸与型になります。

日本学生支援機構の貸与型が一般的で、大学入学者の約半数弱の人がこの奨学金を利用していると言われています。

これは無利子で月々6.4万円、有利子で月々12万円+入学金50万円を借りられる制度で、全て利用したとすると、4年分で約630万円の資金を確保することが出来ます。

ただ、やはりこれも借金の一種なので、もちろん返済の義務があります。

奨学金利用者は、平均で288万円の借金を抱えて社会に出ることになり、さらにその内の10人に1人が滞納しているという厳しい現実もありますので、ここら辺は頭に入れておくべきですね。

・教育ローン

さらに奨学金でも教育費が足りない方は、日本政策金融公庫などに代表される「国の教育ローン」もありますが、これは子どもではなくて、親名義で借りるローンです。

子ども1人あたり最大で350万円借りられますが、奨学金とは違って金利が高いため、最長期間である15年をかけて返済した場合の総額は約400万円にもなってしまいます。

上記すべてを利用した場合、子どもが奨学金630万円、親が350万円を借りて最大980万円を教育費に充てる事が出来るものの、利子をつけると親子で1000万円以上の借金をして大学に通う事になるわけです。

各家庭での考え方はそれぞれですが、これほどの借金をしてまで教育を受ける価値があるかどうか、さらにはそれのリターンが見込める進路(職業)を選べるかどうか、ここら辺もシビアに検討して選択する余地がある、と個人的には考えます。

まとめ

ここまで色々と教育費についてみてきましたが、僕自身も改めて親に感謝しなければいけないと思いましたし、我が子に対しても、出来る限りの選択の幅を与えてあげたい!と考えますが、自分たち親の考えもしっかり持っておかなければならない、と改めて考えるようになりました。

まだまだこの難しい問題については、長きに渡って考えていかなければいけませんが、それぞれの価値をしっかり考慮しながら、最大限それを生かせられる選択を心がけていきましょう。

それぞれの家庭の経済状況にもよりますが、今回みてきたファイナンスを駆使しながら、子ども1人あたり700~2000万円という多額の教育費の用意が必要となるわけです。

子どもたちの未来のために、今の内からしっかり学んで考えて、そして行動に移していけるよう皆で刺激し合いながら頑張っていきましょう!