今まで口にした事のある料理・ワインが、今日はいつもよりも美味しく感じる!と思ったことがあるのではないでしょうか?
もちろんその日のシチュエーションや体調などの影響もありますが、やはりその料理とワインの相性が良くないと、そのようには感じられません。
そういった料理とワインを組み合わせる事を「ワインペアリング」といい、特に好相性の組み合わせの事を「マリアージュ(結婚)」と表現します。
簡単なペアリングの仕方
僕はソムリエになった当初より、ワインと料理の相乗効果によって倍増される楽しみ方を、ぜひ皆さんに知ってもらいたくて、料理1品1品にグラスワインを合わせて提供する「ワインペアリング」のコースを提案してきました。
最近では同様のサービスをやっているレストランも増えてきましたが、合わせ方の基準はまちまちなので、何が正解か分からないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
定まった答えなどはないのですが、今回は考え方の一例を簡単にご説明しようと思います。
① ワインの味わいが料理のスパイスとなる組み合わせ
料理によってもちろんワインのアプローチは変えていくのですが、僕は基本的にはまずこの方法から考え始める事が多いです。
一般的によく言われる「ワインは最後の調味料」といわれるように、一緒に楽しんでこそ完成形を味わえるところが〝ちょっと乙〟ですよね(笑)
ただしある程度は正確に料理とワインの味わいを掴んでいないと組み合わせ辛いので、少しだけテクニックが必要となる方法ですね。
② それぞれが共通する要素を持つワインを組み合わせる
料理の味わいや香り、濃さなどを考慮して、それに近いスタイルのワインを選べば、上手く重なり合ってハーモニーを生んでくれると思います。
酸味のあるさっぱりとした料理であれば、キリっと酸味が強めの寒冷地域のワインをあわせたり、果実味が濃厚でコクのある料理であれば、ブドウの凝縮感を味わえるボリュームがあって暖かな地域のワインをあわせたり、といった具合に同調させていく考え方です。
もっともシンプルかつ、ある程度それぞれの味わいの本質さえ掴んでいれば、効果的な相乗効果をもたらす可能性の高い方法だと思います。
③ その料理(食材)とワインの産地を合わせる組み合わせ
日本でもよくその土地の物と地酒を合わせて楽しむ習わしがありますが、それと似た概念です。
一般的にいわれるのが、その土地の水が影響しているようです。
同じ水を使って料理もワイン(ブドウ)も造るため、自然と相性が良くなるわけです。
またその土地の人々が、そこの風土によって特産品を作り、それに合わせてワインも仕上げていく事も大いにありますので、これもとても理にかなった合わせ方と言えます。
④ 料理の素材やソースと同じ色のワインを組み合わせる
色々難しい事を考えるのはめんどくさいわ!って思った時にはこの方法(笑)
メインの食材、例えば白系色の魚や肉であれば白ワイン、赤身の素材や醤油ベースのソースを使った料理であれば赤ワイン、海老やサーモンなどピンクっぽい素材にはロゼといった具合に、見た目からそのまま選ぶ方法です。
手軽で一番わかりやすい方法を最後にご紹介しましたが、実は②にも通じるところもある考え方ですし、今すぐに実践できるところがいいですね。
様々な考え方・方法がある中で、今回は上記4パターンを簡単に説明しました。
何はともあれ、要は美味しく楽しめる事が1番!
料理だけ、ワインだけ、それら単体で味わうよりも一緒に楽しむことで、さらに美味しさが増幅して感じることがペアリングの意義。
その無限の可能性を求めて、僕たちは模索し続けるので、興味のある方は遊び感覚でもいいので試してみてくださいね(^^)